売上低迷の原因はとてもシンプル

夏場に小規模事業者の経済動向調査を実施して、先日やっとその集計分析作業を終えました。中々興味深い結果が得られました。

こういった調査は質問項目の企画が命というか、その組み立て方で色々な現状や課題が見えてくるし、極端な話今という時代がどんな時代なのか浮き彫りにも出来るのです。
細かな数字は後の報告書に委ねるとして、見えてきた傾向や印象に残った点などについて書いてみたいと思います。

まず売上や利益の傾向ですが、3年前との比較でざっくりいうと43%の企業がプラス、57%の企業がマイナスという結果で、リーマンショック後の一時期から比べると随分好転しているんだな~というのが僕の正直な感想です。

経営課題は何か?という質問に対して、一番多いのが「売上が低迷しており解決策が見つからない」、以下「後継者がおらず事業承継ができない」「仕事はあるが人材確保ができない」と続きます。
やはり予想通りというか、売上の低迷という事業の根幹にかかわる問題を抱えている会社がとても多い。

それではその対策として「現在取り組んでいる営業及び集客活動は何か?」という質問に対してはどうでしょうか?
実に60%の会社が「特に何もしていない」、以下「FBやブログ等SNSの発信をしている」「広告やチラシを定期的に配布している」「既存の取引先を定期的に営業で廻っている」と続きます。

さらにSNSの経営への活用度を問うたところ、「SNS自体への取り組みをやっていない」割合が75%、逆にSNSを積極的に活用して経営に活かしている企業が20%でした。

SNSをやっていない理由は「顧客層が高齢化していて意味がない」「面倒くさい」「売上に結びつかない」「時間に余裕がない」「知識がない」等。

売上が増加している企業と減少している企業を分けて同じ集計をしてみると、低迷している会社は「特に何もしていない」割合と「SNS自体への取り組みをやっていない」割合が更に増えている結果となりました。

仮説を立てて質問項目つくっていることもあり、仮説が数値で実証された形になりました。

つまり売上低迷という課題を抱える企業の多くは市場へのアプローチを「何もやっていない」。何もやらないから顧客からどんどん忘れられていく、更に売上は下がるという負のスパイラルから抜け出せない。これを脱する唯一の方法は自ら市場にアプローチして情報をひたすら発信し続けるしかない。

とてもシンプルな構図ですが、数値から見えたことはこんなことです。
今の時代、何もやらないことほど怖いものはない、ということでしょう。