やっぱり歴史は繰り返す

「英雄たちの選択」というNHKBSのテレビ番組が好きでビデオに録画して後で見るようにしています。
今週の「汽笛一声!文明開化を決めた資金調達~若き大隈・伊藤の挑戦」が面白かった。

明治維新となり、若き日の大隈重信と伊藤博文は鉄道の敷設こそが、日本が欧米列強からの植民地化を防ぎ、国力を高めてその背中に追いつく決め手になると確信しました。

結果的には、汽笛一声!新橋の~で知られる通り、明治5年に新橋-横浜間で開通し、その後急速に全国に線路網は拡がり、人の移動、物資の移動、情報の移動等圧倒的なスピードと量で凌駕し、日本の経済社会を変えていき、大隈・伊藤の狙い通り、日本の近代国家建設のキーファクターとなった。

でも今我々は、結果を知っているからそんなもんか・・と思うのですが、実はこの鉄道建設に漕ぎつけるまで、国内中から大反対に逢ったのです。

まず当時の維新政府の権力者であった西郷隆盛と大久保利通が大反対した。
基本的に当時の日本にはお金がなかった。彼らはそんな金があるなら軍備に回すべきであるという考え。

仕方なく、大隈と伊藤は、鉄道の建設資金を外国に求めますが、理不尽な条件を突き付けられ、そのまま受け入れると植民地化にもつながった可能性があったり、英国商人に騙されそうになったりしながら、結果的に英国政府からの融資を何とか取り付けて現実化します。

それと全く思ってもみなかったところから鉄道建設への反対運動が全国各地で激しく起こります。

全国各地の籠屋、旅籠、馬引きなどがこぞって反対したというのです。

自分達の仕事がなくなる!

ちょっと意表を突かれましたが、確かに当時の旅客業、運送業といえば、籠(かご)、馬、旅籠、だったんですね。

今でこそ鉄道なんて当たり前と思いますが、当時では圧倒的スピードと物量で人や物を移動できる有り得ないモノだったのでしょうね。

この話を聞いて、あれ?って思いました。
当時反対!って大騒ぎした籠屋、旅籠屋、馬引き、この人たちって今の我々に似てませんか?そっくりだと思うんですけど。

AIやロボット、RPA,3Dプリンター等々の出現に、今の仕事がなくなる!10年後に無くなる仕事は〇〇だ!って大騒ぎしている今の自分達と本質的に全く同じだと思うのです。

籠屋や馬引きの仕事が消滅したように、AIやロボットで置き換えられる仕事はやっぱり消滅していくのだと思います。

でも、鉄道が出来たら、鉄道をメンテナンスする保安員や駅員。車掌さらにそこから派生した旅行代理店、燃料の石炭採掘業といった新しい仕事がどんどんできたように、AIやロボットの世の中で新しい仕事が次々に出てくるのも間違いない話なのです。

これまでの歴史を見ても変化を止めることが出来ない。
仕事は歴史と共に無くなっては、また新しい仕事を産み出してを繰り返す。
変化に対応した者だけが生き残るダーウィンの世界しかない。

歴史は繰り返す。
消える仕事を嘆くより、産み出す仕事に目を向けるべきだと思います。