SNS的資産拡大ループ会社

先週末、帯広市で行われた北海道中小企業家同友会の道研(全道経営者共育研究集会)に出席、前回のブログで、インターステラテクノロジズ社について書きましたが、今日はもう1社、基調講演で感銘を受けた㈱オカモトホールディングスの岡本謙一社長のお話から。

自分がこの講演を聞く前まで知っていた㈱オカモトに関することは帯広が本社の会社で、セルフのガソリンスタンドの会社で、僕自身も気づいたら今はほぼオカモトのスタンドで給油することが多い。
僕の記憶では2000年代の始め位にこのオカモトはじめセルフのスタンドが釧路にも出てきて、既存のスタンドがどんどん淘汰されて、油業界では勝ち組の会社というイメージ。

オカモトの社員はエクスマ塾生の同期にもいたし、今回の講演にも紹介されていた中西人事部長はエクスマ塾では僕らの期のサポート講師もやってくれたりして塾生OBも多く、飲み会や塾で会社のことは間接的には何となく知っていた。蔦屋書店のFCやリサイクルのビックバンのFCもやっていて成長しているし、事業部が沢山分かれている。
社長は二代目だって聞いている。
そんなイメージでした。

で、今回、その岡本社長の講演をじかに聞いて思ったことは「想像していたより遥かに凄い会社だった」。
圧倒的に凄いというレベル。

岡本社長はこれまでやってきたことを淡々と、本当に淡々と話す。何の誇張も感じられない。自慢している様子もない。やって当たり前だという感じ。
だからこそ凄みを感じるのです。

岡本社長が事業を引き継いだ時はまだ十勝管内の中士幌という田舎の集落で、雑穀商、新聞販売店に加え、モータリゼーション黎明期の小さなガソリンスタンド1台から。
それが今や北海道から九州沖縄まで全国津々浦々、台湾、香港という海外にエリアを拡げ、エネルギー事業,外食、介護、リユース事業、書籍・文具・TUTAYA事業、美容、スポーツクラブ事業などでグループ総売上1000億円を越える企業体に成長し、高い成長率で成長を続けている。

多くのガソリン事業が本業の会社が消えていく中で、どうして㈱オカモトは成長できたのか?
一つはガソリンを大手の傘下ではなくPB化路線を歩んだこと。

さらに、他業態を常に開発し、果敢にチャレンジし続けたこと。
常に新しい業態にチャレンジしてきた。全てが成功するわけではなく、勝率8割、あとの2割は負けで撤退・廃業というトライ&エラーを繰り返してきた。
チャレンジする際にはデータ収集を徹底的にすること。特にFCに参加する際には本社ではなく加盟店に直接状況を聞くこと。アメリカ等先進地に視察に行き、いち早く参入しブルーオーシャンを狙うこと。

この会社の最も凄いのが人財戦略です。
今は人が採用できない時代です。しかしこの会社そこをクリアしています。
コングロマリット企業体のメリットをフル活用できるというアドバンテージがあるのです。それは極端な話、スタンド業態だけだと中卒しか採れないが、複合業態だと大卒が採れるということ。

さらに人材育成が凄い。3KMという目標管理的な仕組みを取り入れ、モチベーションを高めており、社内講師をどんどん育成して、常に人が育つ仕組みを廻している。
さらに他業態の事業やお店が増える都度、完全にマネージャーに任せ口出ししない。それが将来を支える幹部社員育成には最も有効であるとのこと。
後継者である次男にもM&Aした四国の企業体を完全にお任せで一切口出しをしない。

ちょっとSNSの広がり方にも似た、拡大ループ、人財はじめあらゆる資産が拡大再生産しているような会社だと思いました。

まさにあらゆる会社の手本となる、ベンチマーキングされる会社。
SNS的資産拡大ループする会社が㈱オカモトなのです。

凄いわ。