筋の良い事業、悪い事業

「新しいビジネスを立ち上げたいのですがどう思いますか?」というご相談が時期を同じくして2人の方からありました。片やこれまでサラリーマンをやられてこれから独立して新しい事業を立ち上げる方。片や先代から通算すると業歴40年以上にもなる老舗事業者です。

それぞれ複数の事業アイデアを持っていたので、今考えている事業をすべて説明してもらいました。
幸いその複数の中から各々とても魅力的なビジネスアイデアがあり、これをブラッシュアップしてビジネス化するように助言しました。

これからの新しい事業を始める場合、筋の良い事業アイデアと筋の悪い事業アイデアがあります。もちろんこの筋の良い悪いというのはあくまでも僕の主観ですし、これまでの指導歴からの勘のようなものなのですが、実際にこの勘は殆ど外れない。

これまでの自分のコンサル歴の中での経験と結果から、その人にとってより成功確率の高いビジネスと極めて失敗する可能性の高いビジネスが明確にあるということなのです。

では、何がその判断基準かということですが、まず止めた方が良い事業の特徴について。

それは、今その商品が売れているから、或いはその商売がブームになっているから始めたいというもの。ブームの時にはスタートしたい事業者が殺到しブームは一時的に更に加速します。しかし、ブームは必ず去ります。去った時には過当競争で供給が需要を大きく上回り殆どのお店に必ず閑古鳥が鳴き悲惨な結末を迎えることになります。

目の前の勢いを見て、儲かりそうだからという理由だけでそのビジネスを始めること自体に問題があるのです。

僕が感じるいわゆる事業としての「筋の良さ」はどこから来ているのか?
それは、そのビジネスをやる所以が自分の内部にあるかどうか?に尽きると思うのです。自分のこれまでの経験、キャリア、人生の中で培った自分だけが持つ「強み」を使える仕事かどうか、だと思うのです。

その自分にしかない強み、一件古びてアナログに思えるかもしれません。ところがその一見パッとしない強みと、今そしてこれからの時代との掛け合わせが全く新しい価値を生み、滅茶苦茶に面白いビジネスが生まれることがままあるのです。

自分にしかない強みなんていうと大抵の人は、「いやいやそんな強みなんて私にはとてもありません・・」というのですが、どんな人にも自分独自の強みが必ずある。だって、皆苦労しながらそれぞれの人生を生き延びてきて今があるのですから、そのキャリアの中で必ず培った強みがあるのです。自分のことが自分で見えてないだけです。

まさに今、我々は新しい産業革命の真っただ中に生きています。
新しいビジネスを始める方にはかつてない大きなチャンスが広がっている時代だと言えます。

あなただけのキャリアを活かした意表をつくビジネスが今チャンスです。