ニカクとは夢にも思わず

昔から結構人のあだ名をつけるのが得意です。
得意というよりは、彼(彼女)はあの人に似ているよね、とか、◎◎みたいだねと言うと不思議に賛同を得て、それが自然に広まっていくという感じです。

高校時代の現代国語の富樫先生という方がいて、僕が先生を最初にみた時、「あの先生、笑福亭仁鶴に似ているよなぁ」と言ったら、その日から彼は「ニカク」になり、それ以後どうやら退職するまでニカクと呼ばれていたようでした。

同じく高校の同じクラスの奴があまりにもチンバンジーに似ていたので「お前サルみたいだなぁ」と言ったら、彼はその日から卒業するまで「サル」と呼ばれていました。(申し訳なかったなぁと思う)

こんな風に、人は他人の特徴やイメージを言葉にすることが出来るし、そのイメージを共有することが出来る。

ところが、言われた本人は元々自分がニカクに似ているとか、ましてやサルに似ているなどとは全く思っていないのです。
これはとても重要なことです。
つまり、人は他人のことは明確に特徴を捉えることが出来るし多くの人がその特徴を同じように捉えているが、自分自身は他人からどう見えるか、他人からどんな特徴があると見られているか全くと言って良いほど見えていないのです。

僕自身、若い頃に林家こぶ平(今の正蔵)に似ていると言われましたが、まあ言われて初めてそうかもしれないと思う位で、自分から林家こぶ平に似ているなどは夢にも思っていませんでした。
(これまで伊武雅刀なども言われたし、つい最近スナックでデビット伊東にも似ていると言われたけど、そうかなぁ?とも思います)

他人のことははっきり見えるが、自分のことはあまり見えないというのはビジネスにおいても本質的に変わらないのです。

しかし、自分のことが見えないままではビジネス上多いに支障があります。
自分の会社や商品の特長を様々な場面で表現しなければならない場面が多い。
パンフレット、チラシ、ホームページ、SNS・・・本当に沢山あります。
商品なら色々なメディアでキャッチコピーをつくるシーンは数知れず。

この問題を解決するには外部の力を活用するに限ります。
外部の人はあなたやあなたの会社のことが明確に見えるからです。良い点も悪い点も、ありのまま、なにもフィルターもバイアスもかけずにそのままの姿が見えるからです。

経営のことを客観的に見るなら我々経営コンサルタント、良いキャッチコピーをつくりかったらプロのコピーライターを。その方が良い結果が出ると思います。
何事も今の姿かたちを客観的に捉えるのがスタートですから、それが出来るのは外部の他人しかいないのですから。

見えない自分の姿を見る。
定期的にこの作業を意識的にすることが経営者には凄く重要なことだと思います。

他人に見せてもらえばよい話です。
お待ちしています。