数字が先か、シナリオが先か

今年の連休中は依頼されたとある会社の事業計画案づくりに終始していました。
中小企業の事業計画ですから本来は経営者自ら骨格を作り込むのが当然なのですが、これを自力で作れない中小企業がまだまだ多いのが実体です。

まさに家業から企業へと成長するための第一歩が事業計画づくりではないかと思います。

さて、この事業計画づくりですが、必ず守るべき手順があります。
それは「数字から先に組み立てること」です。

織り込むべき内容としては経営理念、方針、経営戦略、それを細分化したスケジュール、といった感じで展開していけば良いのですが、それよりも先につべこべ言わずにまず数字を組み立てろ!・・です。

(1) 数字は直近の決算の数字をベースに各数字がどう変化するのか、から始まり(2)借入金の返済計画、さらに(3)長期収支計画、といった感じでつくっていきます。

何故、数字から先に組み立てるべきなのでしょうか?
それは数字を組み立てている内に、自分の事業の状況や今後のやるべきことが直感的に見えてくるからです。

数字を見ないで組み立てた事業構想や計画は、どこか靄がかかっている。絵に描いた餅になり易いのです。

こうして数字→シナリオ→数字→シナリオ、と交互に修正しながら計画を織り上げていくのです。

金融機関はじめあなたの事業計画を見せられた人間は、どこを読んでいるでしょうか?
まず数字部分に目が行くでしょう。次にその数字の説明に文章の部分を補足的に読むのです。

だから、つべこべ言わずにまず数字を組み立てろ!・・なのです。

事業計画づくりの手順が理解できたら、経営者自ら作ることが鉄則です。
まさに経営者の仕事の第一が事業計画づくりだと言えます。

そして自力で作った事業計画を金融機関など外部の関係者に説明すると、会社を見る目がガラリと変わる、とは自力で作るようになった多くの経営者の口にする言葉です。

多少文章なんか下手くそで良い。
その位の方が自分で作ったのが分かって、信用度も増すというものです。

家業から企業へ、自ら作った事業計画を自ら説明する経営者。
そんな経営者は信用されるし、応援されると思います。