新しい翼で新しい景色を

「20世紀末消費生活~人間はなぜ商品を買うのか?」油谷遵著。
今でも僕の本棚にある、もう廃刊になっていて表紙の色も変わってしまったこの古い本、著者も既に亡くなっている。
Amazonで検索すると中古の本が何冊か売られていて80年代~90年代に結構本を出している人らしい。

実はこの本は僕が20代で初めて買ったマーケティングの本です。マーケティングというよりはビジネス関係の本をこの時生れて初めて買ったのです。
当時、レンタルレコードチェーンの新規出店の責任者を任されて、素朴に商売の面白さを感じ始め、未知なるビジネスの知識に強烈に飢えていたのだと思います。
とにかく貪るように読んだ。そしてこの本に書かれていたマーケティングという思想、考えに、強烈に魅了された。それが僕の原点になっている。

この時僕が得たものは、新しい視点なのだと思います。
新たな視点を得ると、目の前の世界の見方が全て変わる。今まで見えなかったものも見えてくる。何もないと思っていたのが全く別の景色が目の前に拡がる。
そういう事だと思います。

人生の中で何度か訪れる、この視点を変えてくれるような出来事。
それは特定の人物であったり、本であったり、映画であったり、最近だとSNSのような道具であったり、新しい体験であったり、時には大きな挫折や事故であったり、セミナーだったり、と様々ですが、いずれも大きくものの見方、視点が変わる。
もうそれは新しい翼をつけてくれたのと同じで、新しい翼をつけて飛び始めると全く新しい景色が見えてくる。

今ある職業の多くは10年後にはなくなるという時代に我々は生きています。
今ほどこの新しい視点、新しい翼を持つことが重要な時はないのではないかと思います。
もしかしたら「店活(みせかつ)」もその一助となれるかもしれません。

新しい翼を持つためには未知の世界に飛び込む、ある程度のリスクも必要かもしれません。でもそうして飛び越えないと新しい翼は得られない、新しい景色も見られないのです。

新しい翼を得て新しい景色を、来年はそんな年にしては如何。